『子ども博物誌』(丹野眞智俊 著)が佐賀新聞コラムで紹介されました。

Posted on 1月 15, 2015 | Category: 書評

佐賀新聞コラムに掲載されました。
「仕事と遊びの同化

2015年01月05日 05時00分

 昭和20年代の暮らしを振り返った佐賀大名誉教授丹野眞智俊(まちとし)さん(77)の『子ども博物誌』には失われた遊びがたくさん出てくる。ページをめくれば戦後70年の社会変化が、あらためて感じられる◆一つはメジロ捕りや鳥かご作りである。当時、「とりもち」などでメジロを捕るのは、男の子たちの冬休みの楽しみだった。器用な子はとりもちの木の皮をはいで、べたべたとくっつくとりもちを準備して、飼育用のかごもモウソウチクで手作りした◆遊んでばかりではない。「ガスなど格好いい燃料」はない時代、自宅のかまどで焚(た)く枯れ枝を集めてくるのは子どもの役目。午前と午後に近所の仲間と連れ立って、山で「たきもん」採り。冬山は博物館のような魅力に満ちていて、そこで探検遊びが始まる◆竹を削って鳥かごを作るのは、もはや当時を知る大人でも難しい。回想されているのは農業を中心にした唐津地方の生活で、子どもたちは手伝いを通して自然の知識や道具の使い方を覚えていった。副題にある通り、「仕事と遊びの同化」した幸福な世界である◆今では昔遊びや農業体験は、小学校の授業に取り上げられている。現代にあっても自然相手の農業から学ぶことは大きい。きょうは仕事始めだが、子どもたちにはもう少し冬休みがある。半日でも自然の中に踏みだそう。(宇)」

http://www.saga-s.co.jp/column/ariakesyou/141934 (佐賀新聞)

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